
山賊焼き。
山賊焼きを挟んだ。
「山賊→盗りあげる」 meets 「鶏唐揚げ→鶏揚げる」=山賊焼き。
という公式が松本ないし塩尻で発見されたのである。
どれくらい昔の事かは定かではない。
いまや県全域で認知されたこの公式である。
贔屓のスーパーであるツルヤさん惣菜コーナーにも山賊焼きはいる。
結構、前から目をつけていたのだが、商品名をよく見ていなかった。
「山賊焼き(鶏むね肉)」と書いてあったのだ。
お前という山賊焼きは、む、む、むね肉だったのか!!と打ち震えた。
何故ならば、私は泣く子も黙る鶏むねフリークだからだ。
鶏むね肉の真骨頂はあのパサつき感に尽きる。
私はあのパサつきを愛す。筋繊維を歯で断ち切っていくあの感じを愛するものである。
という訳で、足掛け5年躊躇してきたツルヤの山賊焼きをついに買った。
そして、挟んだ。
挟まれた姿が勇ましいのであった、見て欲しいこの胸板の厚さを。
むね肉の面目躍如である。
この風景を見る為だけに挟んでもいいような、極めてよい風景である。
かぶりつく、パサつきの海へ自分を解き放つのだ。
あのむね肉特有の繊維質の肉が歯に挟まることも厭わずにかぶりつく。
山賊のごとく。目の前のパンに挟まれた肉塊が私の獣性を覚醒させるのであった。
ホットサンドでどうだとか、
山賊焼きがどうだとか、
合うとか、合わないとか、一切考えない。
その時、私は一匹のケモノであった。
今日は満月、とか関係あるのだろうか。
ガルル〜とちょっと吠える。
結論。
山賊焼きは内なる獣性を目覚めさせる。