6/24 鍋倉山山頂書店

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新潟県境の信越トレイルの山・鍋倉山。

ブナ好きとして行ってみたかった山。

出迎えてくれたのは無茶な形の木たちとチェコの方々でした。

日本有数の豪雪地帯、北信は飯山。

雪や冬が苦手なくせに雪深い土地が大好きなのです。

何故なら、そういう地域にはブナの木が主役の山が多いから。

しかし、何故ブナが好きなのかは自分でもよくわからないのです。

ブナの山に行くとアガるんです。浅からぬ縁があるのでしょう、きっと。

(上:僕の隣がブナ   下: ブナの葉っぱ)

 

まぁ、そんなブナ好きなわけでして、

今回の出店先はブナが主役の山である鍋倉山なのであります。

関田峠という峠から搬入をしたのですが、

稜線歩きなので道がなだらか〜なわけであります。

登り味としてはヒジョーにマイルド。

しかし、とても楽しい道なのでありました。

それは何故か。ここで冒頭にあげた写真をもう一度。

(↑すごく無茶な形、、、何があったんだろう?)

豪雪によって冬中押しつぶされた木がわけわからない形になっているのですね。

もしくは↓

押しつぶされすぎて、地面と平行して生えていたりするのですよ。

これをいちいちくぐったり、跨いだり、脇を避けたりして進むのです。

それが面倒ながら楽しい。

そして、登山道の両脇をびっしり灌木類が生えており、

さしづめ緑のトンネルのような道になっているのです。

スタジオジブリのトトロでメイが

ちっちゃなトトロを追いかけて迷い込む、あのトンネルのような感じ。

 

(↑ギンリョウソウ、漢字だと銀竜草)

足元にはギンリョウソウが多く見られました。

このギンリョウソウ、梨木香歩さんの小説「西の魔女が死んだ」に象徴的に出てくる草なのです。

だから、本屋的(梨木ファンかな)には見るとコーフンするんですな。

(↑タムシバの花)

上を見上げればタムシバがちょうど見頃でした。なんかエロい花です。

こんな感じで草木を楽しみつつ1時間強で山頂に着きました。

本日も無事開店であります。

登頂前に随分と下山して行く人とすれ違ったので今日はお客さんいないなぁ。

と心配していたのですが、登頂時にすでに1パーティーがご飯食べてました。

それが。。。

遠くチェコからやって来たという彼らでした。

「ガ、ガイジンさんだ」と正直微妙にたじろいだ私です。

しかし、ここであったが100年目、みすみすお客を逃すわけにはいかねーと

「アイムブックショップ」とかなんとか、テキトーに言ってみたのです。

すると、やにわに本棚を見だした彼ら。

 

「おー、伝わったぜ、コンチキショー。

でも、このシュチュエーションは想定外にすぎるぜ、スットコドッコイ。

日本語の本しかねーんだぜ、嗚呼」という訳のわからない心理状態な私でありました。

 

で、棚を見て彼らの1人が言いました。

「Murakami?」と。

さらに別の1人が「Manga?Naruto?」と畳みかけて来たのであります。

「ノー」と応える私。

 

こりゃあ、ダメだぁと思ったのですが、

彼らは訳のわからんだろう日本語の本を一冊一冊手にとって見てくれたのでした。

そして、

五十嵐大介の漫画「リトルフォレスト1巻」を買ってくれたのです。

名作は言葉を超えるのだ。

さらに写真撮りわすれたけど

武田花の「写文集  猫と花」もお買い上げ!!

猫に国境はないのだ。

 

という訳でありまして、まさかのチェコ御一行様、お買い上げなのでありました。

結局今日はこの2冊しか売れなかったのですけれど。。。

それにしても、山頂という場所はまっことドラマティックであります。

異国の人に信州の山で出会い、本を買ってもらうなんて。

山頂書店、これだからやめられぬ。

次はどこの山頂に行こうかしら。

 

おしまい。

 

 

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