Taroyama Book Camp 2018顛末記

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2017年9月に囁くような音量の産ぶ声をあげたTaroyama Book Camp(通称TBC)。

その産声が本当に囁くようであったので知る人ぞ知るどころでは無く、

知る人は皆無、山頂でやってるにも関わらず世間の陽射しはまるで届かない。

そんなブックキャンプフェスが望まれもしないのに今年も帰って来ました。

Taroyama Book Camp2018顛末記、どうぞご笑覧下さい。

昨年秋に始めたTaroyama Book Camp(以下、TBC )。

かなり楽しかった前回の終了時に、その昂ぶった気持ちに任せ、

2018年の5月末にTBC2018開催!!と高らかに言ってしまったのでした。

である為に、若干の後悔をしつつ今年もTBCを開催したのでした。

 

これが杣Books ver.maximum 2.0だ!!


TBCは「Book Camp」です。字義通りの本棚と共にキャンプをする訳です。

ただでさえ無意味に重い背負子棚なのにキャンプ装備が追加されるのです。

そして、今回杣Booksに衝撃的な変化を遂げています。

 

なんと背負子棚が新しくなったのです!!

 

製作者は長野市は善光寺門前の松葉屋家具店さん。

杣Booksは生来の図々しさを遺憾無く発揮し、

「スポンサーになってくださいヨ」

と極めて軽い調子でお願いしてしまいました。

そうしたところ、2000%以上のリターンを新型背負子棚として返して下さったのです。

この新型背負子の事は語るべき事が多過ぎるので、また別で記事を書きたいと思います。

 

そんなような訳でして、今回のTBC2018における24時間営業仕様。

新背負子棚による「杣Books ver.maximum2.0」となったのであります。

 

そして、搬入開始…


勝手知ったる太郎山は裏参道ルート。

登山口駐車場に着いたのは午前10時半。既に駐車場には車がたくさんとまっていました。

「TBC目当てにこんなに人が…」とヌルい期待を胸に準備をし、さぁ、出発。

 

「お、重い…あ、暑い…」

 

出発1分で後悔。そう、山頂書店活動はいつも後悔でいっぱいなのです。

この日は快晴で気温も高く、重い荷物を背負って登山するにはまるで向いてない日なのでした(笑)

 

「何で俺はこんな事をしているんだろう…狂ってる!!」

 

…と後悔と自責の念に苛まれながら山頂を目指すのであります。

しかし、そこは太郎山裏参道。

こんな感じの爽やかな森の中をゆるやかに登山道がついているので、私のドロドロした気持ち(自分で蒔いた種)は歩くうちに浄化されていくのでした。素晴らしい。

 

さぁ、楽しいお祭りの時間です


さて、お馴染みの太郎山山頂に着いてみますと、、、

TBCを待っていてくれていた人が数名いるではないですか!!

「ありがとう」と言う前に、思わず「マジすか?」と言ってしまいました。

自分で種を蒔いておきながら、実際に芽が出ると驚くのですね。

↑『B&C space 』さん

待っていてくれた人はなんと愛知県から来てくれたのでありました。

しかも出店しに来てくれたのです。ありがたすぎる。。。。

杣Booksと同じで他の仕事をしつつも溢れる本への愛情を抑えきれず

本屋活動という素敵な魔道を歩んでらっしゃるのです。素敵です。

今回は車やバイク、旅、デザインなんかの本を持ってきてくださいました。

 

↑『うさぎの紅茶屋さん』

前回に引き続きの出店です。ありがたやー

前回はとっぷり日が暮れてからの衝撃的な登場で太郎山山頂及び私を震撼させてくれました。

今回はその得体の知れない洗練と紅茶一杯50円茶菓子付きというサービスにビビりました。

店主さんの柔和な容姿と穏やかな笑顔。

その奥の、更に奥に潜む静かな狂気に尊敬と畏怖を改めて抱いた私なのでした(笑)

ちなみに紅茶屋さん、かなりの盛況でした。

 

出店者さんの他にわざわざTBC目指して来てくれたお客さんもちらほらいてくださり、

そんなお客さんとキャーキャー言っていたら、もう夕暮れになっていました。

 

驚きは法螺貝と共に、、、


そうして17時を過ぎたあたりで、世界がオレンジ色になりかけると山頂には私一人となりました。

なんとなしに裸足になって過ごしてみたり、パンを食べたりして、

暮れなずむ上田の街を山頂から見下ろしていたら眠くなったので本棚をテントに引き入れ、

テントの入り口も閉じ、早々に寝袋へもぐりこんでしまいました。

すると、そこにシャンシャンというクマ鈴にしては高めに鈴のような音がきこえてきました。

あたりは薄暗くなっています。

テントのジッパーを恐る恐る開けてみると、、、、

法螺貝を小脇に抱え錫杖のような棒を持ったお坊さんが立っているではありませんか!!

この衝撃たるや!!

そのお坊さんは友人の上田の名刹・海禅寺の副住職でありました。

「ブックキャンプはフェスである、故にキャンプをしに来たのだ」

という至極真っ当なのだけれど、この時間に来るのかぁと感心してしまいました。

そこからいそいそとテントを設営。

眼下に上田の夜景を、頭上にはおぼろげな月が照り、、、、という素晴らしい夜。

↑これは翌朝の光景。タルチョがフェス感を演出しております。

↑上田の夜景。花火もあがるオマケ付き。

↑『坊さんバー&カフェ』

 

「お代はいらねーお布施だ、まぁ、飲め飲め」という仏教的慈悲心が発揮されまくりの

坊さんバー&カフェで悦に浸っておりましたところ、そこにもう一人お客さんが現れました。

夜故に写真を取り損ねたのですが、佐久からTBCに来てくれたのでした。

「皆、どうかしてるぜ!」←賛辞です。

と思いつつ、驚きつつ、TBCは2日目に突入していくのでした。

 

法螺貝で始まる2日目の朝


↑法螺貝を吹いてもらいました

 

朝、山頂、法螺貝で始まったTBC2日目。

この日も快晴無風、20代から患っている雨男の症状がウソのようにでないのでありました。

またもや坊さんバー&カフェのお布施にあずかりながら優雅な朝食を終えると

早速来客がありました。

なんと絵の納品に伊那の山奥から来てくれたのです。

↑納品された絵と私。

来てくれたのはアーティストのムッシュ(通称)。

この杣Booksのロゴと看板を作ってくれた方なのです。

今年の3月に行われた彼の個展で、そのあまりのカッコよさに人生初で絵を買ったのですが、

その絵の納品をしに、わざわざ山頂に来てくれたのでありました。

どちらかと言うと迷惑(笑)なことをしてくれるお茶目なナイスガイなんですね。

せっかく本が売れたのに絵を担ぎおろさねばなりません、絶妙な事をしてくれます(笑)

そうこうしていると、また出店者さんが来てくれました。

↑ゆで卵屋さん

 

今度は小脇に1パックの卵を抱えています。

何をするのかと見ていると卵を茹で始めました(笑)

ゆで卵屋さんです。そのお湯は地元の上山田温泉のものというこだわりぶり。

しかもタダで振る舞い(笑)やるなぁ。

 

↑仏壇ではなく本棚なのに、、、、

 

2日目は何故か、本棚にお供え物を置いておくという珍現象が起きました。

何かご利益があるといいのですが(笑)

ちなみにお供え頂いたのはゆで卵、きのこの山、たべっ子どうぶつビスケット、

ビワ、ホールズ(飴)、魚肉ソーセージなどです。ありがたやー

 

 

終わってみれば過去最高売り上げだった!!


そんなお供え物を頂いたりしつつ、くどすぎる本の話をしつつしていたら、

もう終了時間の12時が目前でした。

そうして、時間になりお店をしまってみると、、、、

半分以上売れているではありませんか!!

数えてみたら22冊も売れていました。ビックリ!!

空いたスペースに寝袋が収まっちゃうほどに荷が軽やかになりました。

ありがたい話であります。

 

そんな感じのTBC2018の2日間でありました。

今回も驚きに満ち満ちており、かなーり楽しい催しでした。

かなーり楽しかったので、今年の秋にでもまたやってしまおうかな(笑)

とにもかくにも、皆さん、ありがとうございました。

TBC2019もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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