辞書を読む読書会のこと。

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杣Books × 県立長野図書館の共同企画『辞書を読む読書会』。

辞書を皆で読むって楽しいんです。

いや、マジで。。。。

11月3日は言わずもがなの「文化の日」。

文化の最前線たる本屋。その端くれとして何かせんければなりません。

私は無駄な使命感に燃えました。

そのような訳で畏れ多くも我が長野県の知の集積地、知の牙城である県立長野図書館さんに

「なんか企画してもいいっすか?」と声がけしてしまったのです。

で、まさかの快諾。。。冗談が冗談で返ってくる感じと申しましょうか。

その対応にただただ素敵だなぁと思いました。

…というのが『辞書を読む読書会』の開催経緯であります。

 

↑こんなマヌケで素敵なポスターとか作ってくれちゃうし、

県立の図書館がこういうノリを発揮してくれるってのは県民としてホントに嬉しいですね。

 

我が背負子棚も持って行ってみました。

 

辞書を読む読書会って?


参加者は10名。

私の企画に10名も参加者があるなんて(笑)

なんと有難いことでしょうか。

ここで『辞書を読む読書会』とは具体的にどんな事をするのか、説明しておきます。

①各自、好みの辞書を用意する

②調べてみたい言葉を予めカードに書いておく

③そのカードをシャッフルし順番に1枚ずつ引いて出た言葉を皆で調べ読み上げる

これだけです(笑)

これだけなんだけど、会場が県立長野図書館です。

ありったけの所蔵辞書を用意してもらいました。古くは江戸時代のものまであったり。

情報のプロ、司書さんによる入魂の選書、いや選辞書。

もうこれだけで私は胸がいっぱいで満足でした。

 

さぁ、いざ読書会!!


一通り自己紹介と辞書紹介を終え、各自図書館所蔵の辞書も手にし、

読書会のスタートです。

記念すべき一語目は「像」。

時代によっては「ぞう」ではなく「ぞお」と読んでいたとか。

うーん、こういう地味な発見がグッときます。

「自然」「自由」「愛」「計算」「命」「のら」「差別」「愛」。

広辞苑の語釈のくどさに辟易したり、

「「愛」がない」とかぼやきながら辞書を引いたり、

「自由」とはトイレという意味であったことが判明したり、

新明解国語辞典はやはり面白いなぁと思ったり、

小学生用国語辞典の語釈に心が洗われたり、

白川静さんの「字界」に衝撃を受けたり、

「差別」は昔「しゃべつ」やら「しゃべち」と読んでいたらしかったり、

「のら」は「どら」とほぼ同じで、じゃあ「ドラえもん」は「ノラえもん」でもあるのかだったり、

新明解国語辞典では「自由」の隣に「銃」と載っていたりして考えさせられたり、

…まぁ、発見につぐ発見なわけで面白いことこの上ないのですよ。

 

辞書を読んでみて、わかったこと


『辞書を読む読書会』は辞書は多ければ多いほど面白いかもしれない。

辞書ごとの語釈の違い、昔と今の言葉の意味の変遷、同じ辞書の版ごとの違いなどなど。

網羅的に辞書が揃っている図書館はうってつけの会場でした。

 

あとは改めて辞書の相対主義という博愛を実感しました。

「ジェンダー」と同じページに「塩鮭」が載っていたりするわけです、当たり前だけど。

辞書という世界をつくった辞書編纂者という神においては、

「ジェンダー」と「塩鮭」は等価なのですね。

その並列ぶりがなんだかホッとすると言いますか、言葉の重みがないと言いますか、

その様子がただただ面白いなぁと個人的には思うわけです。

 

そんなような訳でして、

なんだか参加者全員とてもフクフクと大満足な会になりました。

やってよかった。

好評につき、開催時期は未定なれど次回開催が決定致しました。

皆さん、刮目して次回を待て!!です。

もしくは「辞書を読む読書会」をやってみて欲しいです。

面白いっす、マジで。いや、マジで。

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