5/11 小浅間山山頂書店

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独鈷山、海から一番遠い地点、鏡台山。

実は3山連続で「本」が一冊も売れていないのだ。

「本」が売れないでは「本屋」の沽券にかかわる。

存亡をかけて向かった先は・・・

小さきものは、みなうつくし。

という訳で、小浅間山。

浅間山の隣にちょこんとある小さい浅間山で「小浅間山」。

小さくて登りやすいらしい。(登山口から山頂まで40分!!)

登山初心者、小さき人、ご老体に優しい小浅間山として名を馳せているらしい。

小さきものは、みなうつくし。

『枕草子』清少納言

そう、1000年前に清少納言さんも言っている。

小さいものは美しいのだ。

大なる浅間より、小なる浅間。

人は小なるものを求め、老若男女こぞって小浅間山に登ることであろう。

何しろ杣Booksの存亡をかけての出店である。登山客で溢れている山で「本」を売らねばならない。

久々の小さい書店員も投入。

危急存亡と言えば、そう、総動員である。

杣Booksの存亡であるので一家総動員。

そのような訳で「小さい書店員」と妻も久々に登場。

このあとちゃんと歩き出しました。

体制は万全。が、登山口駐車場に車は全然ないのであった。つまり人がいない。

一抹の不安どころか十抹くらいの不安を抱え登山開始。

そんな不安もつかの間で、歩き出したら芽吹き始めの新緑やら小鳥のさえずりやらが気持ちよくて楽しくて忘れてしまった。

小さいのにすごい高い山にいるような。

三歳児でもこの余裕。

スタート地点からしばらく続く心地よい森が忽然と消え、

ようやく登りらしい登りが始まるのが写真の看板から。

小さい書店員さんは三歳児でもあるのだけど、三歳児でもこの余裕。

いかにここまでのルートがなだらかであるかが知れようというものである。

常に浅間山(本家)を背にして登る。
にしても、雄大である。

背後にどどーんと浅間山を抱えながら登っていくのだけど、

「小浅間山 山頂」の看板から15分くらい登ったところの踊り場みたいな所が

ひときわ眺めがよく思わず写真を撮ってしまった。

それほどの苦労もなしにこの風景を愛でられるのだから、小浅間山はすごいと思う。

「杣Books」と「絵のお店 わいわい」。

そのような訳で小さい書店員さん及び妻も余裕で登頂。

さっそく開店。

開店。人はいない。

とても気持ちがいい。

こりゃあ、大繁盛間違いなし!!

…と思いきや、山頂には我々以外誰もいないのであった。

賑わいを…という訳ではないけれど、

小さい書店員が絵のお店をやりたいと言うのでやってもらうことにした。

にしても、書店員経験もろくにないのにすでに「独立」するなんて、、、

21世紀生まれは末恐ろしい…

「杣Books]と「絵のお店 わいわい」。
「売れないねぇ」と語り合う店主たち。
「わいわい」で扱っている作品。
3円~という破格の価格設定。

が、売れなかった。

待てども待てどもお客は来ず。

こんなにいい山、こんなにいい天気なのに。

親子で商売の難しさを痛感し、閉店することにした。

富士山でいうところの「砂走」的場所。

自然も厳しいが、商売もまた厳しい。

三歳児と三十八歳児は身をもって学んだのであった。

それが今回の出店の報酬であったと涙をのみ、

次なる山へと向かう励みにしたいと思うものである。

おしまい。

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