
【荒山林業 書籍販売部】というユニットを結成し、
長野県下最大級のブックイベントと言っても過言ではないALPS BOOK CAMP2019に参加してみた。
林業会社がブックイベントに行ったらどうなるんだろう?
荒山林業という会社があります。大町市の木崎湖のほとりにあります。
友人である荒山夫妻が、夫婦二人でやっている林業会社である。
どういう経緯で今回の参加に至ったか、実はよく覚えてないのだけれど、
荒山夫妻とは悪ノリのノリがとても合うので「まぁ、いっちょ出てみますか」という軽いノリだったような気がする。
本→紙→木というロジックというか詭弁
いっちょ出てみると言ってみたものの、
自分らが出たいと言って出られるわけもなく(笑)
イベント主催者に林業会社がブックイベントに出店する理由を述べねばなりませんでした。
そのような訳で…
ここ数年、7月のこの時期、木崎湖対岸がやけに賑わうなぁと思ってたんです。その賑わいこそが「ALPS BOOK CAMP」なのでした。素敵だなぁ、出たいなぁと思いました。…と思いつつも我々は林業会社なのでした。叶わぬ想いと知りつつも想いは日増しに募るばかり。そんな日々を送り暮らしてきて、今年のある日のこと。我々はある重大な事実に気付いたのです。『本は紙で出来ており、紙は木で出来ている』という事実に!!本→紙→木であるならば、林業な我々もまた本屋であると言っていいのではないか?いや、いいはずだ。そのような訳で我々、荒山林業に「書籍販売部」が立ち上がったわけなのです。お持ちするのは「ALPS BOOK CAMP」会場にほど近い森から伐り出した木で作ったアレコレです。どうぞ、木読(もくどく)していってくださいませ。
ALPS BOOK CAMPの出店者紹介より
お得意の詭弁で上記のような言い訳をでっち上げて、林業会社がブックイベントに出てもいいように自分にも世間にも言い聞かせてみたのでした。
そうしたら奇跡的に出店審査に通ったのです。嘘みたい(笑)
棚にキノコが生えてた。
そんなような訳でして、7月20日の出店の日を迎えたのでした。
なんだかやっぱり場違い感は甚だしく、
お洒落でクールで洗練された他の多くの出店者さんたちに若干慄きながら、
私と荒山夫妻の3人もおずおずと出店ブースの準備に取り掛かりました。

「ヤベッ、キノコ生えてるじゃん」
…と荒山林業代表の雄大君が丸太で作った本棚を指さして言いました。

「まぁ、丸太だし、キノコも生えるよね」
こういうノリを共有できるので荒山夫妻は楽でいいですね。
キノコは生えていたけど、着々と準備をして我々のブースも出来上がりました。






うまい棒を食べる為だけの棒でうまい棒。
コナラという木で作った剣だから、「ナラ剣」。
ホウという木で作った刀だから、「ホウ刀(ホウトウ)」。
荒山林業代表の荒山雄大君が考え出したプロダクトたち。
アルプスブックキャンプ用に新商品を考えてきてくれました。
それが「うまい棒」。



とっても画期的!!その発想はなかった!!!
我々は大いに盛り上がり、自信満々に世に「うまい棒」をお披露目しました。
発想がないというには、もしかしたら需要がないという事とイコールなのかもしれません。
お客さんには全然ウケなかったのだけど。おかしいなぁ、とてもいいのに。
木で遊ぶ会社
まぁ、そんなマヌケな感じで1日過ごしていました。
小さい人たちがひのきの棒やナラ剣で遊んだり、
父と子がチャンバラごっこしたり、
小さい人にナイフを貸してあげたら1日中楽しそうに削っていたり、

たまに本の説明をしてみたり、
うまい棒を勧めてみたりしました。
そんな中、ナイフでひたすら木っ端を削っていた少年に
「林業の会社って何やってんの?」と根源的な質問をされた訳ですね。
我々は「ん~~、とりあえず、山やら木やらで遊んでる感じ?」と答えました。
それを聞いて少年は更にこう答えました。
「あ、じゃあ、木で遊ぶ会社なんだね」と。
「木で遊ぶ会社」、なんて素敵なキャッチコピー!!
最後に素晴らしいギフトをもらってアルプスブックキャンプな1日はしずしずと終わりを迎えました。
【荒山林業 書籍販売部】、売り上げはアレだったけど(笑)
面白い試みでした。また、どっかで結成できたらいいかもしれませんね。
おしまい。